肩こりや頭痛、めまい、イライラなど、西洋医学では原因を特定できない身体の不調を「不定愁訴」といいます。
つらい症状で悩んでいても、病院で検査をすると「異常なし」となってしまう不定愁訴の治療は、西洋医学では難しいとされています。

緊張型頭痛と片頭痛

緊張型頭痛とは、日本人に最も多い慢性頭痛です。
慢性頭痛で悩んでいる人のうち片頭痛の人は25%なのに対し、緊張型頭痛の人は約60%にものぼります。 
また片頭痛が若い人、特に女性に多いのに対して、緊張型頭痛は中高年に多く発症し、男性にも多くみられます。
緊張性頭痛は頭の片頭痛ほど痛みはひどくなく、吐き気があっても吐くほどではありません。

片頭痛は体を動かすとひどくなりますが、緊張型頭痛は体を動かしたほうが気がまぎれて痛みを忘れることもあります。
慢性的に毎日1日中痛みが続く場合もあります。
精神的ストレスや疲れで痛みが起こる場合もあります。
ほかに伴う症状として、目の疲れ、耳なり、めまい、肩こり、疲れやすさなどがあります。 
緊張型頭痛の特徴締めつけられるように痛む両側か頭全体に、ギューっと締め付けられるような痛みや、頭全体に鉛が入った重く圧迫されるような痛み、後頭部が圧迫されるような痛みといった頭重感、圧迫感があります。 

毎日のように起こる頭痛が、毎日のように起こります。
一日中痛みが続くこともありますが、30分~数時間で、治まる場合もあります。
また、午後になると、痛みが強まってくるのが特徴です。

肩や首筋のこりを伴う緊張型頭痛では、頭痛に伴い、肩や首、後頭部のこり、背中こりや痛み、肩が重くてだるさが見られます。
そのほか、ふらつきやめまいを伴うこともよくあります。

体を動かすと楽になることもある頭痛の最中に体を動かしても、頭痛が悪化することはありません。
むしろ、体操やマッサージをすることで、頭痛が楽になることもあります。
また、片頭痛と異なり、光や音を敏感に感じたり、それらの刺激によって、痛み、だるさがひどくなることはありません。 

頭痛の原因

緊張型頭痛は、精神的なストレスや身体的ストレスが原因で引き起こされます。

①身体的ストレス:
筋肉の緊張型:頭や首の後ろの筋肉の緊張が原因です。
不自然な姿勢を保ち続けていると、一部の筋肉が緊張したままの状態になります。
肩こりを伴うことが多く、デスクワークやOA作業、最近ではスマホやSNSなどで長時間、うつむき加減で不自然な姿勢を続けたりすることが原因となります。
さらに、この状態が毎日のように続き身体的ストレスとして蓄積されると、その影響が脳にも及んで緊張型頭痛が起こってきます。

②精神的なストレス:
精神的なストレスの原因はさまざまですがその代表的なものとして、職場の人間関係や家庭内での問題などがあげられます。
職場での人間関係のもつれや、両親の世話、子供の進学といった家庭内の問題が、精神的なストレスとして、知らず知らずのうちに蓄積されて、緊張型頭痛を引き起こします。

緊張型頭痛の予防

緊張型頭痛を予防するためには、心身のストレスを上手に解消することが大切です。
身体的活動を十分行う。ストレスによって過剰に分泌された交感神経系ホルモンを筋肉活動で消費するという。

基本的にはなるべく全身運動で、軽く汗をかく程度の有酸素運動がすすめられます。
リラックスする。眠るといったような情動を沈静化し心身の疲れを癒そうとする方法。
例えば、ゆっくり風呂に入る、好きな音楽を聴く、自然の中でくつろぐなど。
また、自律訓練法・ヨーガ・気功・禅・瞑想法なども効果的です。
ウォーキングやストレッチといった軽い運動を習慣化し、ゆったりのんびりした時間をもつことが何よりの予防法であり、治療法でもあります。

東洋医学では症状そのものだけを診るのではなく「どうしてそのような症状が出ているのか」というところから考えていきます。
不調は体質や日常スタイルやストレスの状態など、様々な要因が絡んで起こります。

根本的な部分を改善することによって、現在現れている症状を改善するだけでなく、その症状が起こらないようにしていく予防的なケアも同時にできるのが西洋医学との大きな違いです。
不調の根本的な原因を探し、身体が本来持っている機能が正常に働くように鍼灸療法でアプローチすることで、改善だけでなく予防につなげることが可能です。

緊張性頭痛の鍼灸治療

 当院は緊張性頭痛の鍼灸施術を行っています。
緊張性頭痛の主な原因は精神的なストレスと身体的ストレスによるものです。
鍼灸はストレス解消するツボを中心に施術し、心身のリラクゼーションができます。

人間は生きていれば何かしらのストレスが心身にかかってきます。
無自覚なままストレスにさらされていることもありますが、はっきりとした原因のない「イライラ」の多くは自律神経の乱れからきています。
イライラしているときは、大抵は脈が速く、呼吸が浅くなっています。
これは身体の「活動」をつかさどる交感神経の働きが活発になり、常に戦闘モードに陥っているためです。
そこで鍼灸療法では、心を安定させるツボやストレスからくる緊張を和らげるツボなどを刺激することで、自律神経のバランスを整えます。

その結果「休息」をつかさどる副交感神経が優位になり、呼吸が深くなり脈も安定して心が落ち着きます。
鍼灸施術を行う事で、全身的な症状(不定愁訴)だけでなく局所的に、頭周辺・首・肩・背中などの緊張した筋肉やツボを刺激し、緩めることで頭痛の症状を緩和することができ、継続的に治療することで予防効果もあります。
長期間の薬の服用で、薬が効かなくなった頑固な慢性化した頭痛でも鍼灸治療の効果が見られます

当院の鍼灸治療
治療時間は45分~60分
料金は3500円です
頭痛でお悩みの患者様はお早めにご相談下さい。